英1月GDPは2.9%減、封鎖でサービス部門低迷 予想は上回る

Reuters

発行済 2021年03月12日 17:35

更新済 2021年03月12日 19:36

[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日に発表した1月の国内総生産(GDP)は前月比2.9%減少した。新型コロナウイルス感染対策のロックダウン(都市封鎖)が再導入されたことを反映した。ただ減少幅は市場予想の4.9%減より小幅にとどまった。

ONSは新型コロナ対策の制限措置によりサービス部門が低迷したと指摘した。

ONSのジョナサン・アソー氏は「予想よりは小幅だったものの、小売や飲食店、学校、理髪店などでロックダウンの影響が見られ、経済は大きな打撃を受けた。製造業も4月以降で初めて減少し、特に自動車の減少が顕著だった」と述べた。ただ、ワクチン接種の開始やコロナ検査数の増加により健康関連サービスが好調で、他産業の減少の一部を相殺したという。

INGのエコノミスト、ジェームズ・スミス氏は英政府の新型コロナ対策がGDPに寄与したと指摘した。「特に目立つのは医療関係の支出だ」とし、検査と接触者の追跡を支援する政府の「テスト・アンド・トレース」システムとワクチン接種プログラムの強化でGDPが0.9%押し上げられたと分析した。

サービス業は前月比3.5%減少したが、市場予想(5.4%)よりも小幅なマイナスだった。製造業は2.3%減、建設業は0.9%増だった。

11月─1月のGDPは1.7%減となり、ロイターがまとめた市場予想の中央値2.5%減を上回った。

1月のGDPは前年比では9.2%減だった。英国のGDPは新型コロナ流行前の水準を9%下回っている。

パンテオン・マクロエコノミクスのエコノミスト、サミュエル・トムズ氏はこの日の指標や他の最近のデータを考慮すると、第1・四半期のGDPは2%減と当初の予想よりも緩やかな落ち込みとなる可能性があるとの見方を示した。

また第2・四半期に成長率が5%へ回復すると予想し、イングランド銀行(英中央銀行)が年内に利下げを行う可能性はなくなると述べた。