米新規失業保険申請74.4万件に悪化、労働市場の改善過小評価も

Reuters

発行済 2021年04月08日 22:39

更新済 2021年04月09日 01:09

[ワシントン 8日 ロイター] - 米労働省が8日に発表した4月3日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は74万4000件と、前週の72万8000件から悪化し、予想の68万件も上回った。

増加は2週連続で、前週分は9000件上方修正された。ただ、財政刺激策の効果が表れ始め、経済活動の再開も進む中、労働市場は急速に回復しており、申請件数の増加はこうした状況を過小評価している可能性があるとの見方も出ている。

2日発表の3月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比91万6000人増と市場予想の64万7000人増を上回ったほか、6日発表の2月の雇用動態調査(JOLTS)では求人件数が約2年ぶりの高水準を付け、採用件数も増加。新規失業申請件数の悪化とは相容れない。

ブリーン・キャピタル(ニューヨーク)のシニアエコノミックアドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「経済活動の継続的な再開を反映し、4月の雇用統計で雇用が一段と増加すると予想しており、失業保険申請件数は労働市場の改善ペースを正確に反映していないとみている」と述べた。

失業保険申請件数は昨年4月に付けたピークの614万9000件からは大きく減少したものの、パンデミック(世界的大流行)前と比べるとなお2倍超の水準。高止まりの背景には不正申請や二重申請などもあるとみられている。

自営業者や単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」などに適用されるパンデミック失業支援(PUA)を含む申請件数は89万2539件。3週連続で100万件を下回った。

申請件数はカリフォルニア州とニューヨーク州で顕著に増加。一方、アラバマ州、テキサス州、オハイオ州で減少した。