英大手企業、楽観度が過去最高水準に=デロイト調査

Reuters

発行済 2021年04月12日 14:21

[ロンドン 12日 ロイター] - 会計事務所デロイトが英大手企業の最高財務責任者(CFO)を対象に実施した調査によると、今後1年間の利益に対する楽観度が過去最高水準に達した。

同国で新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいることや、欧州連合(EU)離脱に伴う混乱が和らぐとの見方が背景。

大手企業のCFOは、人員と投資の拡大を計画。在宅勤務で働いている従業員の大半が7-9月に職場復帰する見通しという。

CFOの約10%は、EU離脱で大規模な混乱や深刻な混乱に見舞われたと回答したが、今後1年間、同様の混乱が続くと予想したCFOは3%にとどまった。

デロイトのチーフエコノミスト、イアン・スチュワート氏は「英国のEU離脱は、過去4年間、事業活動の大きな重しとなってきたが、英国が正式にEUを離脱したことを受けて、そうした影響が薄れつつある」と指摘。ただ、大半のCFOがEU離脱で事業が打撃を受けるとの見方を変えていないことも明らかにした。

同氏は「ワクチン接種の進展と世界情勢の大幅な改善を背景に、企業の楽観度は力強く改善している」と述べた。

英国では、政府が封鎖措置を解除し、近く景気の回復が始まると予想されている。マクロ経済のリスクについて懸念が急速に広がっているのは、インフレと資産バブルのみという。

一方、英商工会議所の調査によると、第1・四半期の売上高が前期比で減少した企業は全体の41%。昨年第4・四半期も38%と高水準だった。封鎖措置で打撃を受けた接客、ケータリング、小売り、卸売り産業の減収が目立った。

また、英小規模企業連盟(FSB)の調査では、小規模事業者の楽観度は過去6年あまりで最高だったが、7社に1社が今四半期に一部もしくはすべての従業員をレイオフする可能性が高いと回答した。

FSBのマイク・チェリー会長は、政府が追加の雇用支援策を打ち出す必要があると主張した。