中国の3月輸出堅調、輸入は4年ぶり大幅増 今後は鈍化する見通し

Reuters

発行済 2021年04月13日 13:09

更新済 2021年04月13日 16:54

[北京 13日 ロイター] - 中国税関当局が発表した3月の貿易統計では、新型コロナウイルスワクチンの接種が各国で進む中で中国製品に対する外需が持ち直し、輸出が大幅に増加、輸入も4年ぶりの高い伸びを記録した。

中国が新型コロナ流行で昨年初めに陥った景気低迷から抜け出し、回復の勢いを増している兆候があらためて示されたが、今後は貿易の伸びが鈍化するとの見方が出ている。

3月のドル建て輸出は前年同月比30.6%増。伸び率は2月の154.9%から鈍化し、ロイターがまとめたアナリスト予想(35.5%)にも届かなかった。

華宝信託のエコノミスト、ニー・ウェン氏は「世界経済がさらに回復するに伴い、力強い外需が第2・四半期も続く公算が大きい」と指摘。ただ「海外でワクチン接種が加速する中、他国でも工業部門が徐々に再開している。中国の輸出の伸びが鈍化し始めるか今後注目される」と述べた。

輸入は前年同月比38.1%増で、2017年2月以来の大幅増。伸び率は2月(17.3%)とアナリスト予想(23.3%)を上回った。

背景には商品(コモディティー)価格の上昇がある。肉類の輸入が102万トンと少なくとも2020年1月以来の高水準となったほか、大豆・鉄鉱石・銅・原油の輸入も増加した。

貿易黒字は138億ドルに縮小。アナリスト予想では、黒字額が2月の378億8000万ドルから520億5000万ドルに増加すると見込まれていた。

ロイターが税関統計から算出した3月の対米貿易黒字は213億7000万ドルで、2月の230億1000万ドルから減少した。

<課題に直面>

中国の公式および民間の製造業統計では、外需の改善を背景に輸出受注がプラスに転じる中で堅調な景況拡大が示されている。

しかし、アナリストの多くは輸出が短期的にやや失速する可能性や、新型コロナに絡む混乱で他国から中国に注文が流れていた強みが今後薄れる可能性を指摘している。

中国税関の李魁文報道官は第2・四半期の貿易の伸びについて、比較対象となる前年同期が繰り延べ需要で好調だったため、鈍化する可能性があるとの見方を示した。