米中古住宅販売、3月は7カ月ぶり低水準 在庫不足で価格上昇

Reuters

発行済 2021年04月23日 00:13

更新済 2021年04月23日 02:18

[ワシントン 22日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が22日に発表した3月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比3.7%減の601万戸と、2020年8月以来の低水準となった。在庫が著しく不足し、価格が押し上げられたことで、初回購入者の購入が難しくなっている。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は619万戸だった。減少は2カ月連続。4地域全てで減少した。2月は住宅購入契約の成立件数と住宅ローン申請件数が大きく減少していた。

3月は前年同月比では12.3%増加した。

販売価格中央値は32万9100ドルと、前年同月から17.2%上昇。価格と上昇率がともに過去最高を記録した。ただエコノミストは、住宅価格は投機ではなく需給のミスマッチを反映して上昇していると指摘。不動産バブルが発生しつつあるとの見方は示していない。

NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「供給が増えなければ、住宅所有者はかなりの恩恵を享受する一方、賃借人は住宅を購入しづらくなり、社会的な貧富の差が拡大するだろう」と述べた。

住宅在庫は107万戸。前月比では3.9%増加したが、前年同月比では28.2%減少した。