バイデン氏、キャピタルゲイン増税提案へ 育児財源で約2倍に

Reuters

発行済 2021年04月23日 02:53

更新済 2021年04月23日 08:45

[22日 ロイター] - バイデン米大統領は、所得が100万ドルを超える富裕層に対するキャピタルゲイン課税の税率を39.6%と、現行の2倍近くに引き上げることを提案する見通しだ。複数の関係筋が22日明らかにした。育児や幼児教育分野などへの1兆ドル規模の歳出を賄うためという。

所得税の限界税率は37%から39.6%に引き上げる。

関係者によると、詳細はバイデン氏が28日に行う議会演説前に発表される。内容は数日内に変更される可能性もあるという。ホワイトハウス当局者は、最終的な増税案を巡りなお協議しており、富裕層に対する控除額の上限設定や相続増税などが検討されている。

ホワイトハウスのサキ報道官は、育児や幼児教育、国内労働者の競争力強化に向け投資を拡大するという大統領の決意は固いとした上で、政府としてまだ財源計画を確定していないものの「富裕層や余裕のある企業・事業者らが負担すべきだと大統領は考えている」と述べた。

20万ドル以上(夫婦合算で25万ドル)の所得に課せられる純投資所得税(NIIT)の3.8%を含めると、全体のキャピタルゲイン税率は43.4%に上る可能性がある。現在20万ドル以上の所得層に対する全体の税率は約23.8%。

報道を受け、この日の米株市場は大きく下げ、S&P総合500種は0.9%安で引けた。

キャピタルゲイン増税案の実現には議会での可決が必要で、野党・共和党からの支持は見込めそうにない。また、与野党が50議席を分け合う上院では、身内である民主党の全議員から支持を得られるかどうかも不透明だ。

ヘッジファンド、グレート・ヒル・キャピタルのトーマス・ヘイズ会長は「もし、議会で可決されたら、株式指数は2000ポイント値下がりするだろう」と懸念した。