米4月小売売上高は横ばい、今後上向きも 「コト消費」へシフト

Reuters

発行済 2021年05月14日 23:43

更新済 2021年05月15日 01:54

[ワシントン 14日 ロイター] - 米商務省が14日に発表した4月の小売売上高(季節調整済み)は前月から横ばいにとどまった。新型コロナウイルス対策の一つである現金支給の効果が薄れ、市場予想の1%増を下回った。ただ、貯蓄は過去最高水準にあり、経済活動が再開する中、小売売上高は今後数カ月間で加速する可能性が高い。

前年同月比では51.2%急増。3月の数字は前月比で当初発表の9.7%増から10.7%増へ上方改定された。連邦政府による1兆9000億ドル規模の景気刺激策の一環として、多くの家庭が3月に追加で1400ドルの現金を受け取った。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で、家計の超過貯蓄は最低でも2兆3000億ドルに達しており、今年の個人支出を押し上げる要因となるとみられる。

また、国内人口の3分の1以上がワクチン接種を受ける中、消費の対象がモノから外食などのサービスに移行する兆しもうかがえる。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「3月の売り上げが大幅に伸びており、第2・四半期の経済成長へ弾みとなるだろう」述べた。

内訳では、外食が3%増加。前月の13.5%増からは鈍化したものの、前年比では116.8%の伸びを記録した。自動車・部品は2.9%増。家電も1.2%伸びた。一方、衣料品は5.1%減少。スポーツ用品・娯楽は3.6%減った。オンライン小売りは0.6%落ち込んだ。