米失業保険申請40.6万件に改善、コロナ後の最低更新 一時解雇減少

Reuters

発行済 2021年05月27日 23:27

更新済 2021年05月28日 00:45

[ワシントン 27日 ロイター] - 米労働省が27日に発表した22日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は40万6000件と、前週の44万4000件から改善し、2020年3月中旬以来の低水準となった。急速な経済再開に伴う需要増に対応するため企業は労働者の確保に注力しており、一時解雇が減少している。市場予想は42万5000件だった。

申請件数が50万人を下回るのは3週連続。健全な労働市場の目安となる20万─25万件を依然として大きく超えているものの、20年4月上旬に記録した過去最高の614万9000件からは減少している。

ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、スコット・ホイト氏は「経済が本格的に動き出しており、今後の成長は新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)の中で家計に蓄積された貯蓄によって支えられるだろう」と述べた。

労働力不足の要因として、政府による失業保険手当の上乗せ対策などが指摘されており、フロリダ州やテキサス州など少なくとも23州の共和党州知事が来月から失業保険プログラムを終了すると発表しているが、JPモルガンのエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は23州の失業率、賃金上昇率、労働参加率を分析した限りでは、失業手当の早期終了は経済的な理由よりも政治的な理由であることが示唆されると指摘している。