ユーロ圏インフレ率、5月は前年比+2.0% ECB目標を超過

Reuters

発行済 2021年06月01日 18:49

更新済 2021年06月01日 19:54

[フランクフルト 1日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が発表した5月のユーロ圏消費者物価指数速報値は前年比2.0%上昇となり、前月(前年比1.6%上昇)から伸びが加速した。エネルギーコストの上昇が背景。「2%を下回るがこれに近い水準」とする欧州中央銀行(ECB)の物価目標を超過した。

市場予想の1.9%上昇も上回り、一過性の要因だけでなく、構造的な要因が急上昇の背景にあるのではないかとの見方が強まっている。

INGのエコノミスト、バート・コリン氏は「誰もが予想していたことだが、それでも多くの人が焦り始めている」と指摘。「経済に関するニュースがますます明るくなり、労働市場が経済再開で活況を呈する中、インフレ率は急速に反転上昇している」と述べた。

5月がインフレ率上昇のピークになるとは考えにくい。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による景気二番底からの回復と最近の商品価格の上昇が物価押し上げ圧力となり、年後半にはインフレ率が2.5%に近づく可能性がある。

現時点では物価目標達成を喜ぶ当局者も、消費者からの反発に直面する可能性があり、今後のコミュニケーション上の課題が増えることになる。