完全失業率6月は2.9%に改善、宿泊・飲食の就業者数18カ月ぶり増加

Reuters

発行済 2021年07月30日 08:56

更新済 2021年07月30日 10:01

[東京 30日 ロイター] - 総務省が30日発表した6月の完全失業率(季節調整値)は2.9%だった。前月から0.1ポイント改善した。宿泊業、飲食サービス業などで就業者数の戻りが出てきている。厚生労働省が発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は1.13倍で、前月から0.04ポイント上昇した。

ロイターがまとめた完全失業率の事前予測調査では3.0%が予想されていた。労働力調査の調査期間は、3度目の緊急事態宣言が沖縄県を除く9都道県で解除され、飲食店や商業施設などで営業を再開した時期となる。

男性の失業率は3.1%と前月に比べ0.1ポイントの低下。女性は2.7%と前月と同率だった。年齢別では15━24歳が4.5%と最も高く、65歳以上が2.1%と最も低かった。

就業者数(実数)は6692万人で前年同月比22万人増加。3カ月連続増加となったが、コロナ前の19年と比べると55万人低い水準。コロナの影響は依然として残っているものの、宿泊業、飲食サービス業が18カ月ぶりに増加。卸売業、小売業も前年同月比で49万人増加した。これまで下押しされてきた産業で就業者数が増えた。

完全失業者数(実数)は206万人で、前年同月に比べて11万人増加。17カ月連続で増加した。求職理由別では「勤め先や事業の都合による離職」が2万人減少。「自発的な離職(自己都合)」は5万人の増加となった。「新たに求職」は3万人増加した。

<有効求人倍率、1年1カ月ぶり高水準 厳しい状況は継続>

厚労省が発表した6月の有効求人倍率は昨年5月以来、1年1カ月ぶりの高い水準となった。ただ、新型コロナウイルス感染症の流行前が1.4─1.5倍台だったことを考えると低く、雇用状況には引き続き厳しさがみられる。