中国製造業PMI、8月は50.1に低下 非製造業の景況悪化

Reuters

発行済 2021年08月31日 10:33

更新済 2021年08月31日 12:36

[北京 31日 ロイター] - 中国国家統計局が31日発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1と、前月の50.4を下回り、景況改善の鈍化を示した。同時に発表した同月の非製造業PMIは景況改善・悪化の分岐点となる50を割り込んだ。新型コロナウイルス対策の規制や原材料価格の上昇が響いた。

中国経済はコロナによる昨年の落ち込みから急速に回復したが、このところ勢いを失っている。最近の国内感染者増加や輸出の鈍化、不動産市場の過熱抑制策、環境対策が背景にある。

製造業PMIはアナリスト予想(50.2)を下回った。

キャピタル・エコノミクスのシニア中国エコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「中国経済が(8月に)収縮した可能性が示された。新型コロナによる停滞がサービス業活動への大きな重荷となったからだ。供給制約の悪化と軟調な需要も企業活動が勢いを失う原因になった」と分析した。

最近の不調は新型コロナ対策の制限緩和でほぼ解消される見込みだが、金融状況の逼迫と海外需要の鈍化が引き続き中国経済を圧迫する見通しだと述べた。

国家統計局が発表した8月の非製造業PMIは47.5と、7月の53.3から低下し、コロナ流行ピークの昨年2月以来初めて50の節目を割り込んだ。

統計局の高官、趙慶河氏は「複数の省や場所でのコロナ感染拡大は回復途上にあるサービス業にとって大きなショックだった」と指摘。ケータリング、輸送、宿泊施設、娯楽産業が最も影響を受けたとした。一方、建設活動は3月以来の高ペースで拡大した。

中国の国内感染者数は30日まで3日連続でゼロに抑えられており、最近の感染拡大局面はほぼ収束したとみられる。ただ、国内各地の当局は一斉検査の実施や移動制限などの対策を講じた。