米国債デフォルト、国家を「恒久的」に弱める イエレン氏が警告

Reuters

発行済 2021年09月20日 12:19

[ワシントン 19日 ロイター] - イエレン米財務長官は19日、連邦債務上限の引き上げを改めて議会に求め、米国債がデフォルト(債務不履行)に陥れば歴史的な金融危機を引き起こすと警鐘を鳴らした。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に掲載された意見記事で、デフォルトによって危機が引き起こされれば新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による打撃と重なって市場に混乱を招き、米経済は再びリセッション(景気後退)に陥ると指摘。多くの雇用が失われ、長期にわたり金利上昇が続くことになるとした。

また、米国の信用力は戦略的な強みになってきたとし、「恒久的に弱くなった国として危機から脱することになる」と懸念を示した。

デフォルトする可能性のある時期について新たな見通しは示さなかったが、借り入れコストの上昇や資産価格の下落を通じた消費者への経済的打撃に言及した。

同氏はこれまでに、10月中に財務省の手元資金や緊急資金繰り措置が尽き、デフォルトに陥る可能性があるとの見方を示している。