ユーロ圏総合PMI、9月も低下 投入コスト20年ぶり高水準

Reuters

発行済 2021年09月23日 19:27

更新済 2021年09月23日 19:37

[23日 ロイター] - IHSマークイットが23日発表した9月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は5カ月ぶりの低水準となった。新型コロナウイルスのデルタ株の流行を防ぐための規制が需要を冷やすとともに、サプライチェーンの混乱が投入コストを20年ぶりの高水準に押し上げた。

新型コロナの1日あたりの感染者数はここ1カ月で大幅に減少したが、ドイツやフランスなどの主要国が規制を早期に解除する可能性は低い。

製造業とサービス部門を合わせた総合PMIは56.1。8月は59.0だった。景況拡大と悪化の節目である50は上回ったものの、7カ月連続の低下で、ロイターがまとめたエコノミストの予想(58.5)を大幅に下回った。

IHSマークイットのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は声明で「9月のPMI速報値は、経済成長の急減速と価格の急上昇という歓迎できない組み合わせを鮮明にした。価格や供給の逆風が弱まる兆しがなく、加えて秋に向けて感染者が再び増加する事態になれば、今後数カ月で成長が一段と悪化するとみられる」と述べた。

投入コスト指数は70.5で20年超ぶりの高水準。ここ数カ月、世界的な価格上昇の主因の一つとなっている供給のゆがみが解消には程遠く、インフレ高進が少なくともあと数カ月は続くことを示唆した。

将来の生産に関する楽観度は8カ月ぶりの低水準。欧州委員会の消費者信頼感データの改善とは対照的だ。

サービス部門PMIは59.0から56.3に低下し5月以来の低水準。エコノミストの予想(58.5)を下回った。

新規事業に関する指数は5カ月ぶりの低水準だった。