米小売売上高、9月は0.7%増で予想外のプラス 供給制約の影響継続か

Reuters

発行済 2021年10月16日 00:35

[ワシントン 15日 ロイター] - 米商務省が15日発表した9月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.7%増と、市場予想の0.2%減に反し増加した。価格上昇を背景とした自動車販売店の売上高拡大が寄与した。しかし、商品の在庫薄が続く中、供給の制約が年末商戦の小売売上高に影響する懸念は拭えない。

8月の小売売上高は0.7%増から0.9%増に上方改定された。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サール・グアティエリ氏は「底堅い消費者動向と価格上昇を反映している」と指摘。「主要懸念は、サプライチェーンの混乱と半導体不足の拡大が商品薄を招き、需要が抑制されるつつあるように見えることだ」と述べた。

国内総生産(GDP)の個人消費項目に密接に関連しているとされる自動車、ガソリン、建設資材、外食を除くコア小売売上高は、9月に0.8%増加した。8月分は2.5%増から2.6%増に上方改定された。

内訳では、自動車販売店の売上高が0.5%増と、前月の3.3%減からプラスに転じた。販売台数は減少したものの、自動車価格の上昇が追い風となった。自動車評価会社ケリー・ブルー・ブックによると、9月の新車の平均販売価格は初めて4万5000ドルを突破した。

オンラインストアは0.6%増。前月は5.7%増だった。

オフィス勤務復帰の動きを反映し、衣料品も1.1%増加した。

建設資材は0.1%増、家具は0.2%増、スポーツ用品なども増加した。

レストラン・バーなどの飲食店は0.3%増だった。

一方、電電気製品は0.9%減少した。

ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、サム・ブラード氏は「レストランや小売店の来客数は晩夏以降横ばいになっている」としつつも、クレジットカードなどの取引データは「底堅い消費を示している」と述べた。