中国の土地売却収入、9月は2カ月連続減 不動産開発会社の需要低迷

Reuters

発行済 2021年10月22日 14:00

更新済 2021年10月22日 14:10

[北京 22日 ロイター] - 中国政府の土地売却収入が2カ月連続で減少した。新規借り入れに対する規制の強化を受けて、民間の不動産開発会社の購入需要が一段と低迷していることが背景。歳入を土地入札に依存する地方政府にとっては痛手となった。

財政省が22日公表したデータを基にロイターが算出したところによると、9月の全国の土地売却収入は前年比11.15%減の5703億元(890億ドル)。8月は17.5%減だった。

土地売却収入は、平均で地方政府の年間歳入の約2割を占める。売却収入の低迷が長期化すれば、地方政府の財政や投資に圧力がかかるとみられている。

昨年の土地売却収入は、不動産開発会社の活発な応札で8兆4000億元と、オーストラリアの年間国内総生産(GDP)と同規模に達して財政を強化し、新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた経済を支える要因となった。

ただ、中国政府は昨年8月、中国恒大集団など不動産開発会社の負債に対する懸念が強まったことを受けて、「3つのレッドライン」と呼ばれる不動産融資規制を導入。基準を満たせない不動産開発会社が新規の銀行融資を受けられない体制を整えた。

今年は、不動産融資規制の強化が不動産部門に暗い影を落としており、資金繰りの悪化した不動産会社が新規のプロジェクトを停止。地方政府からの土地購入を縮小している。

不動産仲介大手の中原地産(センタライン)のチーフアナリスト、Lu Wenxi氏は「6月以降、資金調達環境が急激に悪化しており、不動産開発会社の資金調達は特に難しくなっている」と指摘。