中国PPI、10月は前年比+13.5% 26年ぶりの高い伸び

Reuters

発行済 2021年11月10日 11:47

更新済 2021年11月10日 13:28

[北京 10日 ロイター] - 中国国家統計局が10日発表した10月の中国生産者物価指数(PPI)は前年比13.5%上昇し、1995年以降で最も高い伸びを記録した。石炭などのコモディティー価格の高騰が背景にあり、企業収益は一段と圧迫されている。

電力不足が響いた。スタグフレーションに対する懸念が浮上している。

伸び率は9月の10.7%から加速し、ロイターがまとめたアナリスト予想の12.4%も上回った。

10月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.5%上昇し、前月の0.7%から伸びが加速し、アナリスト予想の1.4%を上回った。

上海保銀投資管理(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「生産者物価の上昇が消費者物価に波及することを懸念している」とし、今後数カ月で消費者物価の上昇率が加速する可能性が高いとの見方を示した。企業は在庫不足に直面しており、消費者への価格転嫁を余儀なくされているという。

同氏は「スタグフレーションのリスクは高まり続けている」と述べた。

ノムラの中国担当チーフエコノミスト、陸挺氏は「CPI上昇率の加速とPPI上昇率の高止まりで、中国人民銀行(中央銀行)の利下げの可能性が低下する」と述べた。

PPIの内訳では、上流部門の価格上昇が目立った。石炭の採掘・選炭価格は前年比103.7%上昇。石油・ガス抽出も59.7%上昇した。

キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「PPI上昇率は、恐らくピークに近い」とし、石炭価格が下落に転じていると指摘した。