タイ第3四半期GDPは小幅減、観光再開で21年見通し改善

Reuters

発行済 2021年11月15日 12:42

更新済 2021年11月15日 14:19

[バンコク 15日 ロイター] - タイ国家経済社会開発評議会(NESDC)が15日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は、市場予想よりも小幅な落ち込みにとどまった。新型コロナウイルス対策の規制が緩和され、経済活動がやや上向いた。外国人観光客の受け入れ再開により、安定的な景気回復への期待も高まっている。

GDPは前年同期比で0.3%減少したものの、ロイター調査の市場予想(0.8%減)ほど落ち込まなかった。

季節調整済み前期比では1.1%減。市場予想の2.5%減よりも小幅のマイナスにとどまった。

第2・四半期GDPは季節調整済み前期比0.1%増、前年比7.6%増にそれぞれ改定された。

NESDCは今年通年のGDP伸び率見通しを1.2%とし、従来予想の0.7─1.2%から引き上げた。来年については3.5─4.5%と予想した。2020年実績はマイナス6.1%だった。

キャピタル・エコノミクスのアジア担当シニアエコノミスト、ギャレス・レザー氏は「感染者が減少し、規制が解除されつつあるほか、ワクチン接種も加速しており、第4・四半期GDPは力強く回復する見込みだ」と述べた。

NESDCのダヌチャ・ピチャヤナン長官は記者会見で、経済指標は状況改善を示しており、政府は新年を迎える前に消費促進に向けた追加措置の導入を検討していると述べた。

「感染拡大が再び起きなければ、第4・四半期は間違いなく第3・四半期を上回るだろう」とし、22年は国内消費、公共支出、観光が成長をけん引するとの見方を示した。

輸出の伸びや財政政策がコロナの影響抑制につながった。NESDCは今年の輸出が16.8%増加すると予想している。従来予想は16.3%増だった。22年については4.9%増を見込む。