米ISM製造業景気指数、11月は上昇 旺盛な需要示す

Reuters

発行済 2021年12月02日 02:09

更新済 2021年12月02日 02:36

[ワシントン 1日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が1日に発表した11月の製造業景気指数は61.1と、10月の60.8から上昇した。旺盛な商品需要を背景に、製造業の持ち直しを示した。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に関連した原材料不足が生産に引き続き悪影響を与えている中で、インフレ率が高止まりしている。市場予想は61.0だった。

指数は50が景気拡大・縮小の節目となり、製造業は米経済の12%を占めている。

各国政府からの何兆ドルもの支援で新型コロナのパンデミックからの回復が同時進行しているため、サプライチェーン(供給網)が制約を受けており、工場が原材料を調達する時間が長くなっている。

供給業者の納入を示す指数は72.2と、10月の75.6から低下した。50を上回ると納入の遅れを意味する。

仕入れ価格指数は82.4と、10月の85.7から低下したものの依然として高い水準にある。

製造業は生産コストの増加を容易に消費者に転嫁し、躊躇(ちゅうちょ)する兆候は依然見られない。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は30日の議会上院で「インフレ高進のリスクが高まっている」と述べ、FRBは2週間後に開かれる次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で大規模な債券購入の縮小ペースを加速することを検討すべきだと述べた。

10月のインフレ率は、年率ベースで約31年ぶりの大幅な上昇となった。

新規受注指数は61.5となり、10月の59.8から上昇した。

需要が堅調であることから、工場での雇用が増加した。雇用指数は53.3と7カ月ぶりの高水準となり、10月の52.0から上昇した。