米求人件数、10月は1103万件 過去2番目の高水準

Reuters

発行済 2021年12月09日 01:31

更新済 2021年12月09日 03:18

[ワシントン 8日 ロイター] - 米労働省が8日に発表した10月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が前月比43万1000件増の1103万3000件と、過去2番目の高水準になった。最近の雇用の伸び鈍化が需要減退ではなく、労働力不足によるものであることが示唆された。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は1040万件だった。

BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のシニアエコノミスト、ジェニファー・リー氏は「通常であれば過去最高に近い求人件数は祝うに値するものだが、お祝いムードの雇用主はいない。実際に働く人が足りなければ注文に応じることも顧客の要求を満たすことも難しい」と述べた。

求人件数は、宿泊・飲食サービスで25万4000件増加。非耐久財製造業で4万5000件、教育サービスで4万2000件、それぞれ増加した。一方、教育部門を除く州・地方自治体で11万5000件減少した。

地域別では、南部で大幅に増加したほか、西部と中西部では緩やかに増加。北東部では減少した。求人率は9月の6.7%から6.9%に上昇した。

採用件数は8万2000件減の646万4000件。金融・保険業で9万6000件減少した一方、教育サービスや州・地方自治体の教育部門で増加。採用率は4.4%で変わらずだった。

失業者1人当たりの求人件数は約1.5件だった。

米労働省が3日発表した11月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より21万人増加した。55万人増を見込んでいた市場予想を大幅に下回り、昨年12月以降で最も低い伸びとなった。ただ、失業率が1年9カ月ぶりの低水準に改善し、労働市場の急速な引き締まりを示唆した。

JOLTSによると、10月のレイオフ件数は3万5000件減少し136万1000件だった。レイオフ率は0.9%と3カ月連続で横ばいだった。