財の米貿易赤字、11月は17.5%増で過去最大 在庫も拡大

Reuters

発行済 2021年12月30日 02:03

更新済 2021年12月30日 08:27

[29日 ロイター] - 米商務省が29日公表した11月の財(モノ)の貿易収支(速報値)は赤字額が前月比17.5%増の978億ドルと、過去最大に達した。消費財や工業製品をはじめ輸入が大きく拡大する一方、前月に急増していた輸出が減少した。

10月の赤字額は832億ドルだった。これまでの過去最大は9月の970億ドル。

11月の輸入は4.7%増加。工業製品が57億ドル増の632億ドルと伸びをけん引。消費財も29億ドル増の約670億ドルと大きな伸びを示した。クリスマスを前に小売企業が品ぞろえ拡充を急いだことが背景。工業製品、消費財の輸入はともに過去最大を記録した。

オックスフォード・エコノミクスのリードエコノミスト、ナンシー・バンデン・ホーテン氏は「2022年第1・四半期にサービス活動が制限されれば、新型コロナウイルスのオミクロン変異株拡大により、輸入品の需要がさらに喚起される可能性がある」と指摘した。

輸出は2.1%減少。食品は4.3%増加したが、それ以外は全般的に弱かった。工業製品が14億ドル減、資本財が13億ドル減と落ち込みを主導した。

卸売在庫は1.2%、小売在庫は2%それぞれ増加した。

米国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車を除く小売在庫は1.3%増だった。

貿易は5四半期連続でGDPの伸びの重しとなったが、在庫は第3・四半期GDPの押し上げ要因となっていた。