米住宅着工、12月は1.4%増と予想に反し増加 温暖な気温で

Reuters

発行済 2022年01月20日 00:03

更新済 2022年01月20日 03:00

[ワシントン 19日 ロイター] - 米商務省が19日発表した2021年12月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.4%増の170万2000戸と市場予想(165万件)に反し増加し、昨年3月以来9カ月ぶりの高水準となった。季節外れの温暖な気温が寄与した。

ただ、米政府がカナダ産針葉樹製材の輸入関税をほぼ倍増させたことで、資材価格が高騰し今後数カ月間の住宅建設に支障が出る可能性がある。

11月の着工件数は、当初発表の167万9000戸から167万8000戸にやや下方改定された。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、ジェニファー・リー氏は「建設業者は需要を満たすことに前向きだが、供給面に関する問題と労働力不足が足かせになっている」と指摘。「今春は針葉樹製材の輸入関税が痛手となりそうだ」と述べた。

12月の内訳では、変動が激しい集合住宅が13.7%増の52万4000戸。一方、最も大きなシェアを占める一戸建て住宅は2.3%減の117万2000戸だった。人口密度の高い南部での一戸建て住宅が8.2%減少した。

未着工の住宅は1.1%増の27万戸と過去最高だった。

着工件数の先行指標となる12月の許可件数は9.1%増の187万3000件。内訳は集合住宅が19.9%増の67万5000件、一戸建て住宅が2.0%増の112万8000件だった。

全米住宅建設業者協会(NAHB)によると、住宅建設資材の総コストは21年12月から約19%上昇。資材コストの上昇と不足により一戸建て住宅の建設期間が数週間伸びているという。

最新の生産者物価統計によると、骨組みに使われる針葉樹製材の価格は12月に24.4%上昇。11月の6.9%上昇から大幅に加速した。

販売可能な住宅が不足していることが住宅建設を支えているが、住宅ローン金利の上昇や供給上の制約、住宅価格の上昇などにより手頃な価格での住宅購入が難しくなる可能性がある。

フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)のデータによると、13日までの週の30年固定金利住宅ローンの平均は3.45%と前週の3.22%から上昇した。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「米連邦準備理事会(FRB)による数回の利上げを控え、住宅ローン金利はすでに上昇しており、住宅建設業者にとって今年はせいぜい横ばいになりそうだ」と指摘。「新規住宅の供給不足はもう1年続く可能性が高いため、住宅ローン金利の上昇が住宅価格のバブルを冷やすかどうかが興味深い」と語った。

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