米PCE価格指数、12月は前年比で82年以来の高い伸び 個人消費減少

Reuters

発行済 2022年01月29日 00:00

更新済 2022年01月29日 03:36

[ワシントン 28日 ロイター] - 米商務省が28日発表した2021年12月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比5.8%上昇と、11月の5.7%上昇から加速し、1982年以来の高い伸びとなった。一方、個人消費は減少。サプライチェーン(供給網)の問題や新型コロナウイルス感染再拡大が影響し、米経済が年末にかけ失速した可能性を示唆した。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「誰も1980年代に戻りたいとは思わないが、米経済はそうなっている」とし、過度に積極的な米連邦準備理事会(FRB)によってスタグフレーション(高インフレ・低成長)に陥る可能性を懸念。「FRBは油断していたが、今では早急な利上げの必要性を訴え、全てをリスクにさらしている」と述べた。

PCE価格指数の前月比は0.4%上昇。前月は0.6%上昇だった。

FRBが物価の目安とする変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE指数は前年同月比4.9%上昇と、11月の4.7%上昇から加速し、83年以来の高い伸びを記録した。

コアPCEは前月比0.5%上昇と、11月と同じ伸びにとどまった。

グラント・ソーントンのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏は「目下の課題は、経済全体の炎を消すことなく、インフレを抑えることだ」と指摘。「インフレが急上昇した後では、これを行うためのロードマップはない」と述べた。

経済の3分の2以上を占める個人消費支出は前月比0.6%減と、前月の0.4%増からマイナスに転じ、市場予想と一致した。