米貿易赤字、21年は27%増の8591億ドル 過去最大

Reuters

発行済 2022年02月08日 23:48

更新済 2022年02月09日 03:18

[ワシントン 8日 ロイター] - 米商務省が8日発表した2021年の貿易収支は、赤字が前年比27.0%増の8591億ドルと、前年の6767億ドルから拡大し、過去最大となった。企業が在庫を積み増す中、輸入が急増した。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「生活が元通りになるまでは米国の貿易収支は元に戻らないだろう」と述べた。

ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、ティム・クインラン氏は「米国内の在庫を補充する必要があるため、国内需要がサービスに戻っても、輸入は好調を維持する」と指摘。「やがて内需が鈍化し始め、世界的な回復が続けば、来年の貿易は成長に対してより中立的な力になるだろう」と述べた。

財の貿易赤字は18.3%増の1兆1000億ドルと過去最大。財の輸入が2兆9000億ドルと過去最大だった。工業用品・素材の輸入が14年以来の高水準に達した。食品、資本財、消費財などの輸入も過去最大。21年はメキシコ、カナダ、ドイツなど70カ国からの輸入が過去最大だった。

一方、財の輸出は23.3%増の1兆8000億ドルと過去最大。工業用品・素材、食品、消費財、石油の輸出が過去最大だった。21年は57カ国への輸出が過去最大。対メキシコで2765億ドル、対韓国で658億ドルに増加した。

対中国でも21.4%増の1511億ドル。ただ中国からの輸入は16.5%増の5064億ドルとなり、対中貿易赤字は20年の3103億ドルから3553億ドルに増加した。

12月の貿易赤字は前月比1.8%増の807億ドル。市場予想は830億ドルだった。旅行や運輸を中心にサービスの輸出が14億ドル増加した。