英CPI、1月は前年比+5.5% 30年ぶり上昇率

Reuters

発行済 2022年02月16日 16:43

更新済 2022年02月16日 19:27

[ロンドン 16日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が16日発表した1月の消費者物価指数(CPI)は前年比5.5%上昇と、前月の5.4%上昇から加速、1992年3月以来約30年ぶりの大幅上昇となった。

生計費が急上昇しており、イングランド銀行(英中央銀行)が3回連続で利上げを実施するとの見方が強まっている。

ロイターがまとめた市場予想は5.4%上昇だった。

イングランド銀行は昨年12月以降、すでに2回の利上げを実施しているが、金融市場は3月17日に追加で25ベーシスポイント(bp)もしくは50bpの利上げがあると予想している。

エネルギー価格の高騰がCPI上昇の主因。世界的な供給網の混乱も、多くの品目の価格を押し上げる要因となっている。

JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバルストラテジスト、アンブローズ・クロフトン氏は「予想を上回る英インフレ統計は、最近の世界的な傾向を明確に示した。根強く進行するインフレにより中央銀行が守勢に立たされており、年内のさらなる利上げへの扉が開かれた」と指摘。

RSM・UKのエコノミスト、トマス・ピュー氏は「恐らく5月にも追加利上げがあり、政策金利は1.0%に達するだろう。ただ、その後はインフレの見通しが穏やかになり、中銀は立ち止まるはずだ」と述べた。

市場では、エネルギー価格が来年急落し、世界的な供給制約も緩和するとの見方が浮上している。

1月は昨年ほど小売業者の値下げが行われなかった。

衣料・履物は前年比6.3%上昇と、過去最大の伸び。CPI上昇率を0.2%ポイント押し上げた。食品・飲料も4.3%上昇と、2013年4月以来の伸びを記録した。

ガソリン価格は前月から鈍化したものの、依然として前年比で23.6%上昇。中古車は28.7%上昇した。

エネルギー・食品・アルコール・たばこを除くコアCPI上昇率は前年比4.4%で、前月の4.2%から加速、1997年の統計開始以降で最高となった。