英CPI、4月は前年比9%上昇 1982年以来の高水準

Reuters

発行済 2022年05月18日 15:40

更新済 2022年05月18日 22:45

[ロンドン 18日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が18日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比9.0%上昇し、1982年以来の高水準を記録した。

ロイターのエコノミスト調査では9.1%の伸びが予想されていた。ポンドはこれを受けて対ドルで0.4%下落した。

エネルギー料金の高騰が物価上昇の最大の要因となった。食品価格は約7%上昇。付加価値税(VAT)の税率が新型コロナウイルス流行前の水準に戻る中、レストラン・カフェの価格上昇もCPIを押し上げた。

スナク財務相は、世界中の国が高インフレに見舞われていると指摘。「政府はこうした世界的な課題から国民を完全に守ることはできないが、可能な部分については相当の支援を提供し、さらなる対応に備えている」と語った。

反貧困団体は、インフレ率に見合った福祉給付金の即時引き上げをはじめ、今すぐ行動を起こすよう政府に呼びかけた。

キャピタル・エコノミクスの英国担当チーフエコノミスト、ポール・デールズ氏は「事態は良くなる前に悪くなっていくだろう」と述べた。

17日発表の調査によると、3人に2人の割合で普段なら暖房を入れる状況なのに使用を控えている。ほぼ半数が車の運転を控え、4分の1強が食事の回数を減らしている。

英紙タイムズは、スナク財務相が減税や、家庭の暖房費補助の増額を打ち出す見通しと伝えた。

イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は政策金利を0.25%ポイント引き上げた今月5日、物価予想を引き上げ、今年第4・四半期に10%を超えると予想した。