米貿易赤字、4月は19.1%減の871億ドル 輸出が過去最高

Reuters

発行済 2022年06月08日 03:47

更新済 2022年06月08日 05:18

[ワシントン  7日 ロイター] - 米商務省が7日発表した4月の貿易赤字は前月比19.1%減の871億ドルだった。減少率は2012年12月以来の大きさ。モノ(財)とサービスの輸出は3.5%増の2526億ドルで、過去最高となった。貿易が22年第2・四半期の経済成長に貢献する可能性を示唆した。

貿易は7四半期連続で国内総生産(GDP)を押し下げてきたが、第2・四半期は年率換算4.8%増が見込まれている。

ウェルズ・ファーゴ(ノースカロライナ州)のチーフエコノミスト、ジェイ・ブライソン氏は「米経済は多くの主要貿易相手国よりも急速に成長してきたため、米国の貿易赤字は2年前から拡大傾向にあった」とし、「第2・四半期は貿易がGDP伸び率に小幅に寄与すると予想している」と述べた。

輸出は、工業用品・材料がけん引。天然ガスや貴金属、石油製品など幅広く増加する中、石油は272億ドルと、過去最高を記録した。食品も過去最高で、大豆が21億ドル増えた。

資本財は12億ドル増の475億ドルと、19年3月以来の高水準。民間航空機が13億ドル増だった。

サービスの輸出は24億ドル増の765億ドル。旅行と輸送の増加が押し上げた。

一方、財・サービスの輸入は3.4%減の3397億ドル。これまでは、旺盛な内需に対応するため企業が在庫を積み増し、輸入が急増していた。

消費財は63億ドルの減少。繊維アパレル製品、家庭用品、玩具、ゲーム、スポーツ用品などが減った。医薬品も減少。工業用品と材料は53億ドル、金属製品は56億ドルそれぞれ減少した。

資本財の輸入は26億ドル減。コンピューターが19億ドル減少した。ただ、自動車・部品・エンジンは14億ドル増の337億ドルと過去最高。食料品も過去最高となった。

石油の輸入は252億ドルと、14年10月以来最高。4月の原油平均輸入価格は1バレル=94.99ドルと、14年8月以来最高だった。