豪中銀の声明全文

Reuters

発行済 2022年08月02日 14:34

[シドニー 2日 ロイター] - 本日の会合で、キャッシュレートの目標値を50ベーシスポイント(bp)引き上げ1.85%とすることを決定した。為替決済残高の金利も50bp引き上げ1.75%とした。

理事会は経済を安定させつつ、インフレ率を時間と共に2─3%の範囲に戻すことに高い優先順位を置いている。このバランスを達成するための道筋は狭く、世界情勢を中心とした不確実性に覆われている。インフレ上昇による実質所得の圧迫、大半の国での金融引き締め、ロシアのウクライナ侵攻、中国の新型コロナウイルス封じ込め策などにより、世界経済の成長見通しは下方修正された。

豪インフレ率は1990年代初頭以来の高水準となった。4─6月の総合インフレ率は前年比6.1%、基調インフレ率は4.9%だった。インフレ上昇は主に世界的な要因によるものだが、国内要因も作用している。旺盛な需要、逼迫した労働市場、経済の一部部門における生産能力の制約から、物価上昇圧力が広く存在している。今年の洪水も一部の物価に影響を与えている。

インフレ率は年内にピークを迎え、その後2─3%のレンジに向かって再び低下すると予想される。インフレの緩やかな減速予想は、世界的な供給問題の進展、商品価格の安定、金利上昇の影響を反映している。中期的なインフレ期待は依然として適切に抑制されており、この状態を維持することが重要だ。中銀の中心的な予測では、2022年の消費者物価指数(CPI)は7.75%前後、23年は4%強、24年は3%前後となる見通しだ。

豪経済は今年も力強い成長を続け、その後は成長ペースが鈍化すると予想される。雇用は力強く増加し、個人消費は底堅く、企業投資も上向きつつある。過去最高水準にある交易条件の上昇によって国民所得も押し上げられている。中銀の中心的な予測では、22年の国内総生産(GDP)成長率は3.25%、その後の2年間はそれぞれ1.75%だ。