街角景気、8月は前月比1.7ポイント上昇 行動制限ない夏休みで

Reuters

発行済 2022年09月08日 14:23

更新済 2022年09月08日 15:09

[東京 8日 ロイター] - 内閣府が8日発表した8月の景気ウオッチャー調査で、景気の現状判断DIは45.5と、前月比1.7ポイント上昇した。物価高が人々の消費意欲に影響を与えているものの、3年ぶりに行動制限のない夏休みやお盆を迎えたことが景況感を上向かせた。景気判断の表現は「持ち直しに足踏みがみられる」で据え置いた。

現状判断DIの上昇は3カ月ぶり。家計動向関連DIが1.2ポイント、企業動向関連DIが3.2ポイント、雇用動向関連DIが1.8ポイントそれぞれ上昇した。

家計動向関連からは「お盆期間は帰省などの生活需要が活発であり、空港では久しぶりに家族を出迎える光景が多くみられた」(北海道=旅行代理店)、「子供向けイベントも復活し、家族での来店が増えるとともに、にぎわいが戻ってきている」(近畿=百貨店)といった声が出ていた。

一方、「物価高の影響で余暇、レジャー、趣味に対する消費力が弱まっていると感じる」(南関東=通信会社)、食品を中心に値上げの影響があり、客の商品の買い方がシビアになっている。最近はお買い得商品だけを買う客が増えている」(近畿=スーパー)との指摘があった。

先行き判断DIは前月から6.6ポイント上昇の49.4だった。3カ月ぶりの上昇。秋の観光シーズンの旅行需要や、水際対策の緩和にともなうインバウンドの増加への期待が表れたとみられる。内閣府は先行きについて「価格上昇の影響等を懸念しつつも、持ち直しへの期待がみられる」とした。

調査期間は8月25日から31日。新型コロナウイルスの全国の感染者数が8月中旬のピークから低下傾向となった時期に当たる。