ウクライナ再建費用3500億ドル、ロシア侵攻の影響何世代も継続=報告書

Reuters

発行済 2022年09月10日 00:52

更新済 2022年09月10日 07:00

[ワシントン 9日 ロイター] - 世界銀行とウクライナ政府、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会が9日に発表した報告書で、ロシアの侵攻がウクライナに対して6月1日までに970億ドルを超える直接的な損害を与えたほか、同国再建に3490億ドルの費用が必要になる可能性があることが分かった。

再建費用はウクライナの2021年国内総生産(GDP、約2000億ドル)の約1.6倍に当たる。

数値はいずれも速報値で、戦争が続けば増加が見込まれると指摘。

「家族の離散や固有の文化遺産の破壊などを通して、(ロシアによる)侵攻の影響は何世代にもわたって継続する」とした。

報告書によると、ロシアの侵攻でウクライナは経済の流れや生産に支障を来たしたり、戦争に関連した費用が発生したりしたことで2520億ドルの損失を被ったと指摘。ウクライナ国民全体の約3分の1が逃げたことにより、貧困率は侵攻前にわずか2%だったのが21%に跳ね上がることが予想されている。

うち1050億ドルは数千の学校や、500を超える病院の再建といった緊急の優先課題に対処するために必要とされた。住宅の修復や暖房の復旧、ガスの購入といった冬への備えも不可欠とされた。