米銀行の収益費用比率、下期に改善か 上期は悪化

Reuters

発行済 2022年09月15日 13:02

[13日 ロイター] - 米銀行は世界的な景気悪化による収入減や、人材獲得競争によるコスト高などで上半期に悪化した「収益費用比率」が、下半期には改善に向かうとアナリストは見ている。

収益費用比率は営業経費を収入で割ったもの。銀行の経営状態を測る指標として注目され、数値が低いほど経営効率が良い。

KBWの銀行調査部門を統括するクリストファー・マクグラティ氏は「今の予測では、米銀の今年の収益費用比率は昨年の58%弱から57%弱へと緩やかに改善する見通しだ」と述べた。

収益費用比率の小幅な改善予想は、収入全般の伸びが高まることを見越したものだ。

マクグラティ氏は、資本市場の動きが劇的に減速しているにもかかわらず、純金利収入の伸びは加速していると指摘。全体的な収入の伸びが経費の伸びを上回るはずだと予想した。

決算報告から算出した米主要行の上半期の収益費用比率は、JPモルガンが60%、シティグループが66%といずれも2014年以来の水準に急上昇。モルガン・スタンレーは71%で19年以来の高水準、ゴールドマン・サックスとウェルズ・ファーゴはそれぞれ62%と77%で20年以来の高水準だった。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)は前年同期の69%から67%に改善したが、新型コロナウイルス感染拡大前の19年の水準を依然9.5ポイント上回っている。