台湾輸出受注、8月は前年比2%増 アップル新製品が寄与

Reuters

発行済 2022年09月20日 19:21

[台北 20日 ロイター] - 台湾経済部が20日発表した8月の輸出受注は前年同月比2%増の545億9000万ドルと予想外に増加し、同月としては過去最高を記録した。

最大の輸出市場である中国は引き続き逆風を受けているが、米アップルのiPhoneなど新製品に対する力強い需要がけん引した。

しかし世界的な高インフレや地政学的リスクの高まり、新型コロナウイルスなど一連の不確実性により、見通しはまだら模様と政府は指摘した。

アナリストは2%の減少を予想していた。前月は1.9%減だった。

電気通信機器の受注は前年比3.1%増となった。携帯電話の受注が好調だった。多くの台湾企業が部品を供給しているアップルは今月、最新のiPhoneを発売した。

電子製品は15.4%と大幅に増加した。高性能コンピューターや自動車向けの半導体需要が旺盛だった。新たな家電製品用に半導体在庫を確保する動きも見られたという。

台新証券投資顧問エコノミスト、ケビン・ワン氏はアップルからの受注が押し上げたとの見方を示した。しかし年末までの期間については振るわない可能性があるとし、前年同期が高水準だったことや、中国と欧州で下振れリスクが高まっていることを理由に挙げた。

台湾経済部は9月の輸出受注について、前年比7─9.4%減少すると予想した。

ただ不確実性はあるものの、「さまざまな国際ブランド」の新しい家電製品や高性能コンピューター向け、高速通信規格「5G」製品、自動車用エレクトロニクスの需要により、輸出受注は今後も安定的に推移するとした。