英失業率、8─10月は3.7%に小幅上昇 賃金は記録的伸び

Reuters

発行済 2022年12月13日 17:17

更新済 2022年12月13日 18:27

[ロンドン 13日 ロイター] - 英国の失業率は2カ月連続で上昇、シニア世代で職探しの動きが広がり、雇用市場に減速感が出ている。ただイングランド銀行(英中央銀行)が物価動向で注視する賃金は高い伸びを記録した。

国立統計局(ONS)が13日発表した8─10月の失業率は3.7%で、7─9月の3.6%から小幅に上昇した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は3.7%だった。

8─10月の賃金(除くボーナス)は前年比6.1%増加。ロックダウンや政府の支援措置でデータにゆがみが生じた新型コロナウイルス流行時を除いて、2001年の統計開始以来最大の伸びを記録した。

ボーナスを含めた賃金も前年比6.1%増加。ただ両データともインフレ率を下回り、家計の購買力低下を示唆した。

職に就いておらず就業意欲もない人の割合である不就労率は21.5%。前の3カ月から0.2%ポイント低下した。主因は、引退したと考えていた人々が職探ししていること。

ONSは「他のデータも合わせて考えると、生活費が急激に上昇する中、50代で再び働こうと考える人が増えているようだ」と述べた。

ただし不就労率はコロナ前を1.3%上回っている。

経済がすでに縮小局面に入ったとみられる中、雇用主は採用に慎重。9─11月の求人は21年初め以来、初めて前年同期を下回った。

EY・アイテム・クラブのエコノミスト、マーティン・ベック氏は、サービス業の賃金が6.2%上昇したことが英中銀の目を引くだろうと指摘。ただ利上げペースは11月の75ベーシスポイント(bp)から50bpに鈍化するとの見方を示した。