英GDP、11月は予想外のプラス W杯効果で景気後退回避か

Reuters

発行済 2023年01月13日 16:34

更新済 2023年01月13日 20:27

[ロンドン 13日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が13日発表した昨年11月の国内総生産(GDP)は減少予想に反して前月比0.1%増となり、昨年終盤に景気後退(リセッション)入りしていた可能性は低下した。ただ、今年の景気見通しは暗いままだ。

ロイターがまとめた市場予想は前月比0.2%減だった。

9─11月のGDPは0.3%減で市場予想と一致した。エリザベス女王の葬儀で多くの企業が休業となった9月のGDPが0.6%減少したことが主因。

7─9月のGDPはマイナス成長。10─12月もマイナス成長となれば、景気後退に突入したことになる。

ONSは「11月の英経済は小幅に成長した。通信・コンピュータープログラミングの増加が寄与した。ワールドカップの放映でパブ、バーも好調だった」と述べた。

統計に修正がないと仮定した場合、10─12月がマイナス成長となるには、12月のGDPが0.5%前後減少する必要があるという。

11月のGDPを押し上げたのはサービス業。鉄道・郵便のストライキがあったにもかかわらず0.2%増加した。食品・飲料部門が、サッカーW杯効果で2.2%増加した。

半面、製造業は0.5%減少。特に医薬品の生産が落ち込んだ。

フィデリティ・インターナショナルのアソシエートディレクター、エド・モンク氏は、英経済は11月にプラス成長となったものの、非常に厳しい1年となる見通しは変わらないと指摘した。

HSBCのエコノミスト、リズ・マーティン氏は「今のところリセッションは回避する可能性がある。ただ12月はさまざまな業種のストライキがあり、景況感調査の結果も低調だった」と指摘した。

ONSによると、11月のGDPはパンデミック前を0.3%下回った。