短期間のYCC運用再見直し、不透明感の声=日銀1月会合

Reuters

発行済 2023年03月15日 10:13

[東京 15日 ロイター] - 日銀が1月17―18日に開催した金融政策決定会合では、1人の委員から、昨年12月の長期金利の変動幅拡大から時間を置かずに再びイールドカーブ・コントロール(YCC)の運用を見直すと「かえって先行きの政策運営に関する不透明感を高める可能性が ある」との指摘が出ていたことが明らかになった。

日銀が15日、1月の決定会合の議事要旨を公表した。この会合で日銀は金融政策の維持を決め、長期金利の変動幅も据え置いた。多くの委員が、YCCの運用見直しが市場機能に及ぼす影響を「いましばらく時間をかけて見極める必要がある」との認識を共有した。1人の委員は、市場機能の動向を見極めた上で「必要になれば、イールドカーブ・コントロールの運用について改めて議論すればよいのではないか」と発言していた。

イールドカーブのゆがみが解消されない状況が続き、市場では1月会合にかけ政策の再修正観測やYCCの撤廃観測が強まり、10年債利回りは0.5%を突破した。

会合では、何人かの委員がYCCの運用見直しはあくまでも金融市場の機能改善を通じて金融緩和をより持続可能とするための措置であり「経済・物価情勢を踏まえると、現行のイールドカーブ・コントロールを継続していく必要があることを改めて丁寧に説明していくべきだ」との認識を示した。