英GDP確報値、第4四半期は前期比+0.1% 景気後退回避

Reuters

発行済 2023年03月31日 15:21

更新済 2023年03月31日 19:10

[ロンドン 31日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が31日発表した2022年第4・四半期の国内総生産(GDP)確報値は前期比0.1%増だった。旅行業が好調だったほか政府による光熱費負担軽減策が寄与し、景気後退を辛うじて回避した。

前回発表値は前期比0.0%、第3・四半期は0.1%減だった。

ONSの統計担当者ダレン・モーガン氏は「昨年後半は経済が予想よりもやや堅調だった。第4・四半期は電気通信、建設、製造業が従来の見通しよりも好調だった」と分析した。

セクター別ではサービス部門が0.1%増、旅行業は約11%増となった。

製造業は医薬品の伸びを背景に0.5%拡大した。建設業は1.3%増だった。

貯蓄率は9.3%と新型コロナウイルス流行直前の5.6%から上昇した。政府のエネルギー料金支援により貯蓄が膨らんだ。

家計の可処分所得は1.3%増と5四半期ぶりにプラスに転じた。

企業投資は0.2%減と前回発表値の4.8%増から大幅に下方修正された。ONSは季節調整の方法を変更したことが要因と説明した。

第4・四半期のGDPは19年終盤の水準を0.6%下回った。主要7カ国(G7)で英国だけが新型コロナ前の水準を回復していない。

キャピタル・エコノミクスのルース・グレゴリー氏は、第3・四半期と第4・四半期のGDPが上方改定されたことについて、高インフレの景気への影響が当初の予想をやや下回ったことを示していると指摘。

「ただ金利上昇が実体経済に及ぼす影響の約3分の2はまだ感じられておらず、英国が今年景気後退に陥るとの見方に変更はない」と述べた。

インベステックのエコノミスト、フィリップ・ショー氏は「景気後退の危険ゾーンからさらに一歩遠ざかったが、昨年下期の経済が低迷したという全体像は変わらない。生活費危機の影響が大きかった」と述べた。