中国4月経済指標、生産・消費の伸び予想下回る 回復の勢いさえず

Reuters

発行済 2023年05月16日 11:43

更新済 2023年05月16日 15:18

[北京 16日 ロイター] - 中国の4月の生産および消費指標はいずれも伸び率が予想を下回った。新型コロナウイルス禍からの景気回復の勢いがさえないことを示唆している。

国家統計局が16日発表した4月の鉱工業生産は前年比5.6%増加し、予想を大幅に下回った。ただ、伸びは3月の3.9%から加速した。

ロイター調査では10.9%増と予想されていた。伸び率は2022年9月以来の大きさ。

4月の小売売上高は前年比18.4%増加し、予想(21.0%増)を下回った。伸び率は3月の10.6%を大幅に上回り、21年3月以来の高水準だった。

大幅な伸びではあるものの、コロナ流行に伴い上海がロックダウン(都市封鎖)された前年の落ち込みの反動が大きい。

ジョーンズ・ラング・ラサールのチーフエコノミスト、ブルース・パン氏は「前年が低いベースであることを背景に、第2・四半期も前年比の伸びが大きくなる指標が続くだろうが、回復が勢いを失っているため、前四半期比では伸びが鈍化するとみられる」と述べた。

1─4月の固定資産投資は前年比4.7%増加した。予想は5.5%増だった。1─3月は5.1%増だった。

1─4月の不動産投資は前年比6.2%減少し、1─3月の5.8%減から落ち込みが加速した。

4月の全国調査ベースの失業率は5.2%と、3月の5.3%からわずかに低下。ただ、若年層の失業率は20.4%と、3月の19.6%から上昇し、過去最高を記録した。

保銀投資(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は若者の失業率の高さを「心配な兆候」と指摘。「市場の一部では内需を押し上げるために消費クーポンなどの政策措置を強化するよう求める声が出ているが、政府は消極的のようだ。今年の成長目標は低い水準に設定されており、政府には様子見の余地がある」と語った。

中国政府は今年の経済成長率目標を控え目な5%前後に設定している。