英国で支払い不能者が急増、生計費・物価高騰で=FCA調査

Reuters

発行済 2023年05月17日 13:50

更新済 2023年05月17日 15:01

[ロンドン 16日 ロイター] - 英金融行動監視機構(FCA)が16日公表した調査報告によると、今年1月までの半年間に国内で料金支払いや債務返済を履行できなかった成人は560万人と、昨年5月の前回調査の420万人から急増した。生計費と物価の高騰が国民の懐を直撃したためだ。

英国の家庭は昨年9月以降、2桁の物価上昇率に見舞われ続けている。また政府当局は、来年3月までの2年間の生活水準が記録的な落ち込みになると予想している。

FCAはロシアがウクライナに侵攻して食料とエネルギーの価格が跳ね上がったことを受け、昨年5月にこうした調査を開始した。

今回の調査結果では支払いを続けるのに苦戦している成人が大幅に増えたことも分かった。FCAの消費者・競争担当エグゼクティブディレクター、シェルドン・ミルズ氏は、生計費増大の「リアルな影響」が浮き彫りになったと説明した。

一方、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)の急激な利上げに伴って、昨年5月時点で住宅ローンを抱えていたという人の29%は1月までの半年で利払い負担が増えたと回答。賃貸住宅居住者の34%は家賃が上がったと答えた。