財新の中国サービス部門PMI、5月は57.1に上昇 需要改善

Reuters

発行済 2023年06月05日 11:04

更新済 2023年06月05日 17:00

[北京 5日 ロイター] - 財新/S&Pグローバルが5日発表した5月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は57.1と4月の56.4から上昇し、好不況の分かれ目である50を上回った。新規受注が好調だった。

中国国家統計局が先週発表した5月の非製造業PMIは54.5と、4月の56.4から低下していた。

モルガン・スタンレーのアナリストは4日のリポートで「中国の消費回復はセカンドステージに入りつつある。第1・四半期は急激だが不均衡な回復だったが、セカンドステージはより内生的になり、広範な雇用拡大が原動力になるだろう」と指摘。

ジョーンズ・ラング・ラサールのチーフエコノミスト、ブルース・パン氏は、財新と国家統計局の調査結果の相違について、調査規模の差で説明できるかもしれないと指摘。財新は民間・国有サービス企業約650社を、国家統計局は4300社を対象にしている。

キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、シーアナ・ユエ氏によると、統計局指数の低下は大企業や内陸部にある企業が大きな逆風に直面していることを示唆していると指摘。建設部門の大幅な低下が指数を押し下げたという。

一部のエコノミストは、所得の伸び悩みや失業増大で対人サービスの累積需要が薄れる可能性があるとの見方を示している。

財新の調査では新規事業の増加が示された。新型コロナウイルス禍からの経済再開後初の労働節でホテルやレストラン、旅行会社の受注が増えた。

業務増加を受けて企業は4カ月連続で人員を増やした。ただ、雇用の伸びは鈍化した。

サービス企業の平均請求価格は昨年2月以来の大幅上昇となった。

未処理のビジネスも増加が続き、能力が引き続き圧迫されていることを示した。