香港市場で中国銀行株が急落、ゴールドマンが投資判断引き下げ

Reuters

発行済 2023年07月05日 20:17

[上海/香港 5日 ロイター] - 5日の香港株式市場で、本土系銀行が急落した。米ゴールドマン・サックスが中国農業銀行などの投資判断を引き下げたことで警戒感が広がった。

ハンセン中国本土系銀行株指数は3.6%安と8カ月ぶりの下落率で4カ月ぶり安値近くに沈んだ。

ゴールドマンは5日のリポートで、中国農業銀行の投資判断を「中立」から「売り」に、中国工商銀行と興業銀行は「買い」から「売り」に引き下げた。

農業銀行は約3%下落し、工商銀行は約2%下げた。本土市場での下げは限定的。銀行株指数は0.5%安だった。

ゴールドマンは、地方政府債務へのエクスポージャー、それに起因する収益リスクなどが投資家の懸念材料になっていると指摘した。

地方政府は、インフラ事業向けの財源確保のため融資平台という機関を設立。融資平台の債務は国際通貨基金(IMF)の試算で9兆ドル以上に膨らみ、中国経済のシステミックリスクと見なされている。

ゴールドマンは、中国6大銀行が中小銀行が直面するリスクを低減するため、地方政府債務をさらに引き受け、収益悪化につながると予想した。

カバー対象の中国の銀行の今年の配当性向予想を2%ポイント引き下げ4─6%とした。大手行の今年と来年の引当金前の営業利益予想も5─6%下方修正した。