欧州委、ユーロ圏経済成長予測を下方修正 ドイツは景気後退

Reuters

発行済 2023年09月11日 19:22

Jan Strupczewski

[ブリュッセル 11日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は11日、今年と来年のユーロ圏の経済成長予測を下方修正した。高インフレに伴う個人消費の低迷が背景。ドイツは今年、景気後退に陥る見通し。

ユーロ圏の経済成長予測は今年0.8%、来年1.3%。従来予測はそれぞれ1.1%、1.6%だった。

欧州委は「内需、特に消費の低迷を踏まえると、高水準で依然として上昇している大半の財・サービスの消費者物価が、春季の予想以上に大きな重しになっている」と指摘。

「エネルギー価格は下落し、労働市場は極めて好調で、記録的な低失業率、雇用の継続的な拡大、賃金の上昇が見られるが、それにもかかわらず」内需が低迷していると述べた。

ユーロ圏の消費者物価上昇率の予測は、今年が5.6%、来年が2.9%。5月時点の予測はそれぞれ5.8%、2.8%だった。

欧州委は「経済への銀行与信の急激な鈍化は、金融引き締めが経済に浸透しつつあることを示している」と指摘。

「サーベイ指標は夏季と今後数カ月の経済活動鈍化を示している。欧州の多くの地域では観光シーズンが好調だったものの、製造業は引き続き低迷し、サービス業も勢いが衰えている」としている。