世界の企業配当総額、昨年は過去最高に 増加の半分は銀行部門

Reuters

発行済 2024年03月13日 10:53

Lucy Raitano

[ロンドン 13日 ロイター] - 英資産運用会社ジャナス・ヘンダーソンが13日公表した報告書によると、2023年に世界全体で企業が支払った配当額は過去最高の1兆6600億ドルに上った。22年からの増加の半分を銀行部門が占めた。

報告書では、世界中の上場企業の86%が配当を増やしたか、支払額を維持したことも分かった。今年の配当総額はさらに増加し、1兆7200億ドルに達する見込みという。

個別企業で配当額首位となったのはマイクロソフト、以下アップル、エクソンモービルと続いた。

為替変動の影響や特別配当なども加味した基調的な配当総額の伸び率は5%。

ジャナス・ヘンダーソンのグローバル株式収入責任者ベン・ロフトハウス氏は「大半のセクターで企業のキャッシュフローは力強さを維持し、これが配当や自社株買いを大規模に行う原動力になった」と指摘した。

銀行部門は高金利に伴う利益率上昇のおかげで、配当額は過去最高の2200億ドルを記録。基調的な伸び率は15%で、配当支払を停止していた新型コロナウイルスのパンデミック期からの回復基調が続いている。

一方、コモディティー価格低下で収益が圧迫された鉱業部門は配当減額を強いられた。

減額幅が特に大きかった個別企業5社には、インテルやAT&T、ペトロブラスとともに鉱業のBHPとリオ・ティントも名を連ねている。