Reuters
発行済 2024年03月21日 09:50
Takahiko Wada
[東京 21日 ロイター] - 日銀が21日に発表した2023年10―12月期の資金循環統計によると、12月末の国庫短期証券を除く国債・財投債の日銀の保有比率は53.78%となった。過去最高となった9月末の53.86%をわずかに下回ったものの、歴代2位の高水準。日銀は昨年10月にイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の運用を柔軟化。金利の低下傾向で国債買い入れ額が減少していた。
国庫短期証券を含むベースでは、日銀の保有が前年比5.5%増の585兆円となり、残高に占める比率は47.9%に上昇。一方、海外の保有は7.8%減の165兆円で、残高に占める比率は13.5%に低下した。海外の保有残高が前年比マイナスとなるのは2四半期連続。
日銀は19日の金融政策決定会合でマイナス金利の解除やYCCの撤廃など大規模緩和策の修正を賛成多数で決定した。ただ、国債買い入れは継続することから、高水準の国債の保有残高など「過去の異次元緩和の遺産のようなものは当面残り続ける」と植田和男総裁は指摘した。
<金融資産、家計・企業とも最高更新>
家計が保有する金融資産残高は前年比5.1%増の2141兆円で、05年3月以降の最高を更新した。株高・円安が押し上げにつながった。株式等、投資信託とも2割を超す増加となり、いずれも過去最高を更新。冬季賞与の影響で、現預金は1.0%増の1127兆円となり、こちらも過去最高。
企業の金融資産残高も9.1%増の1474兆円で過去最高となった。株式や対外直接投資が押し上げ要因。
(和田崇彦)
が書いた: Reuters
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