アングル:米大手行第1四半期は軒並み減益か、純金利収入の動きに注目

Reuters

発行済 2024年04月11日 13:12

Nupur Anand

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米大手銀行の第1・四半期決算は、軒並み減益が見込まれている。

12日に先陣を切るJPモルガン・チェースは、LSEGの調査に基づくアナリスト予想で1株利益が前年同期比4%減少する公算。シティグループとウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)もそれぞれ35%と11%の減益となる見通しだ。

ゴールドマン・サックス(15日発表)は13%減、バンク・オブ・アメリカ (16日)は18%減、モルガン・スタンレー(同)は2%減とみられている。

こうした中で注目されているのは、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策と純金利収入の関係。CFRAリサーチの調査ディレクター、ケネス・レオン氏は「これが第1・四半期における全体的なテーマであり、利益の上振れにつながりそうだ」と述べた。

市場は年内の利下げ回数について、以前の最大6回から足元では3回まで想定を減少している。さらに10日発表された3月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことで、最初の利下げは9月までずれ込むとの観測が浮上しつつある。

モルガン・スタンレーのアナリストチームは、政策金利が高止まりする期間がより長引けば、JPモルガンやバンク・オブ・アメリカ、Wファーゴがその恩恵を受けるとの見方を示した。

金利高止まりは、消費者のローン延滞増加をもたらす恐れがあり、銀行は貸倒引当金積み増しを迫られるかもしれない。