「予防的」緩和に複数が言及、追加策は副作用配慮も=日銀・主な意見

Reuters

発行済 2019年08月07日 10:51

「予防的」緩和に複数が言及、追加策は副作用配慮も=日銀・主な意見

[東京 7日 ロイター] - 日銀が7日に公表した7月29─30日の「金融政策決定会合における主な意見」によると、世界経済の下振れリスクが強まる中で、物価2%目標に向けたモメンタム(勢い)が損なわれる状況が懸念される場合には、躊躇(ちゅうちょ)なく金融緩和措置を講じるべきとの意見が示され、予防的な金融緩和の必要性に複数の政策委員が言及している。緩和策の検討にあたっては、副作用への配慮が重要との主張も出た。

会合では、金融政策の現状維持を賛成多数で決めたが、海外経済の動向を中心に経済・物価の下振れリスクが大きいとの認識を示し、物価上昇のモメンタムが「損なわれる恐れが高まる場合には、躊躇(ちゅうちょ)なく、追加的な金融緩和措置を講じる」ことを声明文に明記した。

主な意見でも、日本の経済・物価の下振れリスクが大きいとの認識のもと、「リスクに対応するべく、躊躇なく必要な政策を適切に実施する、という情報発信が肝要」「モメンタムが損なわれることが予見される場合には、躊躇なく金融緩和措置を講じるべき」などの意見が示された。

こうしたリスクの顕在化を未然に防ぐための「予防的」な金融緩和の必要性にも複数の委員が言及。「現時点において、物価の下振れリスクに対して予防的・先制的に政策対応することが重要」との指摘や、「(物価)2%から距離のある日本こそ、いわゆる予防的金融緩和論を検討する必要あるのではないか」などの主張が展開された。

一方、日銀による金融緩和は「すでに欧米以上に強力」とし、「さらなる緩和が必要かどうかについては慎重な検討が必要」との意見もあった。

ある委員は「緩和策についても予め検討しておくべき」と述べ、具体的な緩和手段の検討を進めることが必要と指摘した。