韓国輸出、10月は約4年ぶり大幅減 政府は最悪期過ぎたとの見方

Reuters

発行済 2019年11月01日 15:23

韓国輸出、10月は約4年ぶり大幅減 政府は最悪期過ぎたとの見方

[ソウル 1日 ロイター] - 韓国政府が1日に発表した10月の輸出は、前年比14.7%減少し、2016年1月以来の大幅な落ち込みを記録した。最大の輸出相手国である中国向けが引き続き減少したほか、半導体価格の下落が輸出を押し下げ、11カ月連続でマイナスとなった。

ロイターがまとめたアナリスト予想の中央値は13.8%減だった。9月は11.7%減だった。

ただ政府によると、輸出の最悪期は過ぎた可能性がある。成允模産業通商資源相は声明で、数量ベースの需要は堅調で、半導体価格の下落幅縮小に伴い、輸出の減少ペースは鈍化し始めるとの見解を示した。

エコノミストも、世界需要がさらに落ち込まない限り、カレンダー効果で前年との差は緩やかになるとみている。韓国の輸出は昨年11月に減少し始めた。

HIインベストメント・アンド・セキュリティーズのチーフエコノミスト、Park Sang-hyun氏は「輸出の1営業日当たり平均は依然として高水準で、(世界的な)不透明感はある程度低下している。減少幅は縮小し、来年初めにはプラス転換する見込みだ」と語った。

半導体の輸出は32.1%、中国向け輸出は16.9%、それぞれ大きく落ち込んだ。

半導体は輸出全体の18%、中国向けは25%を占める。

産業通商資源省の高官は記者会見で、半導体輸出は近く回復する可能性があるとし、世界的に顧客の在庫がほぼ正常化し一部のメモリーチップ価格が上向いていることに言及した。

また、2017年の好調期に国内造船企業が受注した船舶の多くは来年初め以降に納期を迎えると指摘した。造船も韓国の主要な輸出セクターの1つ。

輸入は前年比14.6%減で、予想(13.2%減)以上に減少した。