米雇用統計、10月は12.8万人増 GMスト影響も予想上回る

Reuters

発行済 2019年11月02日 10:11

米雇用統計、10月は12.8万人増 GMスト影響も予想上回る

[ワシントン 1日 ロイター] - 米労働省が1日発表した10月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から12万8000人増加した。自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM) (N:GM)のストライキの影響で、伸びは前月から鈍化したものの、市場予想の8万9000人増を上回った。

8・9月分の雇用者数も計9万5000人上方改定され、個人消費が引き続き景気の下支えとなる可能性を示唆した。

失業率は3.6%と、約50年ぶりの低水準となった前月の3.5%から悪化。ただ、労働力人口の増加を反映している可能性がある。

時間当たり平均賃金は0.2%(6セント)増加。9月は横ばいだった。10月の前年同月比は3.0%増だった。2月には前年同月比で3.4%増とピークに達した。

PNCファイナンシャルの首席エコノミスト、ガス・フォーシャー氏は「貿易戦争が長引いたとしても、米景気拡大は少なくとも来年上期まで継続する見通しだ。今回の堅調な雇用統計は、米連邦準備理事会(FRB)が今年3回の利下げ後、短期的に金利を据え置く公算が大きいことを意味する」と述べた。

10月は製造業部門の雇用者数が3万6000人減と、2009年10月以来の大幅な落ち込みとなった。GMのストの影響で、製造業のうち自動車産業の就業者は4万1600人減少した。

GMのミシガン州とケンタッキー州の工場で実施されたストには約4万6000人が参加。ストは10月25日に収束したが、スト期間中無給となった従業員は失業者として扱われる。

政府部門の就業者数も3000人減。2020年の国勢調査に向けた2万人の一時雇用が終了したことが背景。

建設業は1万人増加。しかし、1月に5万6000人増加して以降、減速している。

GMストや政府の臨時雇用終了の影響を除くと、10月の雇用者数は約19万人増だったとエコノミストは試算する。

しかし、ストを除いても雇用の伸びは今年鈍化している。雇用者数の伸びは月平均で16万7000人増。昨年の平均は22万3000人増だった。16カ月近く続いている米中貿易摩擦によって設備投資が低迷していることが、雇用鈍化の要因として指摘されている。