自然災害関連リスク、金融機関の大きな課題となる可能性=日銀総裁

Reuters

発行済 2019年11月28日 14:57

自然災害関連リスク、金融機関の大きな課題となる可能性=日銀総裁

[東京 28日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は28日、都内で開かれたパリ・ユーロプラス・ファイナンシャル・フォーラムで、自然災害関連リスクは金融機関の大きな課題となる可能性があるとの認識を示した。

黒田総裁はこの日の講演で、金融安定に関する新たな論点として気候関連リスクに言及。近年、日本で台風など自然災害が増加していることに触れ、自然災害の影響について「資産価格の下落や担保価値の毀損につながる可能性や、関連するリスクが金融機関の大きな課題になる可能性もある」と警戒感を示した。

さらに、気候関連リスクは他の金融上のリスクに比べて影響が長期に及び、その影響はとても予見しにくいとも指摘。このため、気候関連リスクの影響については「しっかりとした調査や分析を行う必要がある」と強調した。

<ポリシーミックスは標準的>

黒田総裁は講演後の質疑応答で、長短金利操作(YCC)付き量的・質的金融緩和により長短金利が低い水準に抑えられていることで、財政政策の効果が大きくなるとの認識を示した。

黒田総裁は財政政策を実施すると普通であれば金利が上昇するが、YCCで長短金利は低い水準にとどまっていると指摘。財政政策と金融政策のポリシーミックスは標準的なやり方だと強調した。