仏大統領、NATO脳死発言で謝罪せず 「有益な警鐘になった」

Reuters

発行済 2019年11月29日 06:44

仏大統領、NATO脳死発言で謝罪せず 「有益な警鐘になった」

[パリ 28日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は28日、北大西洋条約機構(NATO)は「脳死状態にある」との自身の発言は、NATO加盟国に対する有益な警鐘になったとした上で、謝罪はしないと明言した。

マクロン大統領は今月7日、英経済誌エコノミストのインタビューで、トランプ米政権の予測不能な行動や内部の協力態勢の欠如を理由に挙げNATOは事実上機能不全に陥っており、「脳死状態」にあると発言。これに対しドイツのメルケル首相が過激過ぎると述べるなど、波紋が広がった。

マクロン氏はNATOのストルテンベルグ事務総長との共同記者会見で「私が行った質問は自由回答形式の質問で、まだ回答は出ていない」とし、「欧州の平和、(米ロによる)中距離核戦力(INF)廃棄条約の破棄後の状況、ロシアとの関係、トルコを巡る問題」などに直面する現在、「一体何を敵と見なすのか」と指摘。「こうした問題が解決されるまで、コスト共有を巡る交渉は控えることを提案する」と述べた。

その上で「誰か警鐘を鳴らす必要があった。警鐘として受け止められたことに安堵しており、戦略的な目標について考える必要があると認識されたことを歓迎している。だから私は謝罪など決してしない」と語った。NATOが想定する敵としては「テロだと思う。われわれ同盟国をいずれも直撃しているからだ」と話した。