人民元上昇、米中「第1段階」合意を慎重ながら歓迎 中国株は小幅安

Reuters

発行済 2020年01月16日 12:59

人民元上昇、米中「第1段階」合意を慎重ながら歓迎 中国株は小幅安

[上海 16日 ロイター] - 米中両国は15日、貿易交渉を巡る「第1段階」の合意に署名した。中国市場はこれを慎重ながらも歓迎し、人民元相場は16日の取引で上昇している。ただ、より根本的な問題が未解決となる中、株価は高値で寄り付いた後、小幅安に転じた。

米中の第1段階の合意を受け、貿易摩擦激化への懸念はいったん和らいだが、両国が過去1年半に互いに発動した関税の大部分は維持され、摩擦の原因となった構造的な問題も未解決のままとなった。

序盤の国内取引で人民元は1ドル=6.8820元。第1段階の合意がようやく署名されたという安ど感に加え、中国人民銀行(中央銀行)がこの日の基準値を2019年7月26日以来の元高水準に設定したことが支援材料となった。

OCBCウィンハン銀行のアナリストは、第1段階の合意署名による人民元への影響は限定的とし、「市場は関税削減の時期や第2段階の交渉の行方を注視する」との見方を示した。そのうえで「米中貿易交渉は引き続き材料視されるが、今年の人民元相場には経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)のほうが大きな影響を及ぼすだろう」と指摘した。