Reuters
発行済 2020年02月20日 20:01
中国新規融資、1月は3.34兆元 過去最高更新
[北京 20日 ロイター] - 中国の1月の新規融資は前月から予想以上に増加し過去最高を更新した。貿易摩擦に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大という新たな脅威に直面し当局が景気支援策を強化したことが背景。
例年、1月は銀行が優良顧客を囲い込み、シェアを拡大しようと融資を膨らませる傾向がある。
中国人民銀行(中央銀行)によると、1月の新規人民元建て融資は3兆3400億元と昨年12月(1兆1400億元)から大幅に増加。ロイターがまとめたアナリストの予想(3兆元)を上回り、昨年1月の過去最高(3兆2300億元)記録を塗り替えた。
人民銀行のデータに基づくロイターの計算で、住宅ローンが主体の家計向け融資は6341億元で、昨年12月(6459億元)から減少。企業向け融資は4244億元から2兆8600億元に急増した。
ここ1年あまり、当局は銀行に中小の民間企業を中心に金利を抑えて融資を拡大するよう促している。ここにきてあらたに新型ウイルスが経済に影を落としており、人民銀行は20日、銀行の貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を引き下げた。
マネーサプライM2は前年比8.4%増加。伸び率は昨年12月(8.7%)と予想(8.6%)をともに下回った。
1月末時点の人民元建て融資残高は前年比12.1%増で予想と一致。昨年12月は12.3%増だった。
<さらなる景気支援措置>
当局の政策に関係する筋によると、政府はさらなる景気支援措置を講じる方針という。
新規株式公開、信託会社の融資、債券発行など、通常の銀行融資以外の簿外の与信も含まれる社会融資総量は、1月末時点の残高が前年比10.7%増の256兆3600億元。
1月の社会融資総量は5兆0700億元で昨年12月(2兆1030億元)から急増し、アナリスト予想(4兆3000億元)も上回った。
キャピタル・エコノミクスのジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「信用の伸びと経済活動を下支えするため、今後数週間で、的を絞った形と広範な形の双方で追加の金融緩和があると予想している」と述べた。
今後しばらくは、春節休暇の延長や新型ウイルスの感染拡大を受けた一部の都市の封鎖が、融資活動の重しになる公算が大きいが、当局は融資拡大と資金調達コストの低下に向けた措置を打ち出す姿勢を示している。
複数の当局者によると、国内銀行は新型ウイルス対策を支援するため、5370億元を超える信用を供与している。
*内容を追加しました。
が書いた: Reuters
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